【311の次の日】わすれない。まだ日常に戻れない人たちのこと。

5年前の今日。
みなさま、どんな状況でしたか?

昨年に青森で報告会を行った時のメッセージを共有します。
思い出して、思い続けたいですね。


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青森のみなさま
報告会へお越しの皆様

こんにちは
東日本大震災アロマケアボランテアCOCOCO報告会へようこそ。

私は地元コーデイネーターの菅原圭子です。

この活動は、今年で4年目になりました。代表の安藤さんと私の二人で、震災後の5月の連休明けが始まりでした。

私の住む奥州市は3.11でも被害がありましたが、2度目の大きな余震4月7日のほうが被害は大きかったのです。我が家もタンスや本棚がひっくり返り、壁にヒビが入り屋根瓦が落ちました。イエローカードを市の調査員の方からいただきました。

3・11は5日間の停電で寒い数日を、4・7の時も2日間の停電がありました。コンロも風呂も電気が来ないと何もできない!反射式の石油ストーブは、部品がないと廃棄処分をしてしまい、携帯用のガスコンロとお隣から借りた反射式のストーブで暖を摂りました。何度も崩れた家具を片付け、少々片付け疲れを感じているときに、この活動をする決心をしたのです。

電気がついて、テレビのニュースで津波の映像を見て、私たちの大変さとは全く違うと感じました。友人でもあり、このボランテアのためにエッセンシャルオイルをずうっと提供してくださっているインソーレの社長阿部さんからのお話でした。

まず夫に相談をして了解をとり、彼女の部屋づくりをしました。そして、ボランテアをするにはと復興支援の担当者、社会福祉協議会へ相談をしました。ところが、こちらが求める支援や助言は何もでてきません。自分であちこちに問い合わせ、避難所として被災者がいる、花巻市のホテル3か所、奥州市の衣川荘での活動ができることになりました。

新幹線水沢江刺駅で、彼女を迎え私たちの活動はスタートしました。

私自身、アロマセラピーという言葉は知っていましたが、何も知らない人間でした。駅からすぐ奥州市社会福祉協議会へ挨拶をし、対応された方にアロマセラピーの体験をしていただきました。お入りの優しい香りに、受けられた方も「気持ちいい!」と思わず声を出していました。

 花巻市での活動には市への登録が必要とその手続きを済ませ、最初の場所「ホテル花巻」で活動を開始しました。手作りのチラシをロビーに張らせてもらい、被災者の皆さんがいるところにもチラシを張り、廊下を通る方に声を掛けました。「マッサージいかがですか?」

 アロマセラピーと言っても「えっつ!何?」という反応でした。これまでの「寒い!狭い!物資が無い!」という生活から「温かい部屋、食事、温泉」やっと少し落ち着いたというところだったのではないでしょうか。

 声を掛けて数人が受けに来ました。受けた後で「アロマったってわがんねよ!マッサージってもっと宣伝しねば」と応援の言葉をいただきました。

このような活動を5日間づつ2回にわたって行いました。その時、私がびっくりしたことがあります。アロマの効果を目の当たりにしたのです。奥州市でのこと、最初は関心なさそうにしていた男性が、奥さんに進められて受け、2回目には自分から進んで受けに来たのです。その日は午後と夜2回のプランでした。昼も受け、夜もまた来た時に最初に出会ったときとの変わりようにびっくりしました。目の輝きが全く違い、生き生きとしていたのです。そして、もう自分はどうでも良いという思いが無くなっていました。

 これだけで終わらせてはいけないと安藤さんも思ったのでしょう。ホームページを作ってみんなに呼びかけようと、数日後に連絡があり、COCOROが誕生しました。

 子供たちのケアをしたいと強く思っていたこともあり、被災地の子供のケアを何とかできないかと相談がありました。被災地ではその時沢山のボランテアが来ていてどう断ろうかと悩んでいるという情報もありました。「誰かつないでくれる方はいないものか?」とずうっと考えていました。その時につないでいただいたのが、「森の小舎」の赤川さんでした。彼のコーヒーで保育園の先生方は、しばしのリラックスタイムを過ごしていたのです。

八月、高田保育所を紹介していただき私たちの考えを伝えました。子供のケアをさせてくださいと。保育士の方たちは半年間自分の生活、身内の方の安否確認、被災者へのサポート、保育所の再開など不眠不休の状態を続けてこられたのでしょう。誰の顔も疲れ切っていて、今にも倒れそうな気がしました。「大人は駄目ですか?」一人の保育士さんが問いかけてきました。「えっ、良いのですが、させていただいてよろしいですか?」「もう、限界なんです」こんな会話で保育所での活動が始まりました。


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9月、最初の活動は、安藤、桑本、岡村、私の4人、まだ陸前高田市は、宿泊できる場所はなく千厩の温泉に宿をとりました。そこは、復興の仕事に来ている様々な人がいて、女性は私たちだけでした。2泊3日の活動に車でそこから約1時間半近くかけて、現地に向かいました。帰りは真っ暗なくねくねした山道を帰ってきました。道の途中で、思いがけない野生の動物との出会いもありました。

COCOROの活動は10回を超えました。セラピストの皆さんは、京都、神戸,滋賀、名古屋、東京などかなり遠い地域からの参加でしたが、昨年から青森の根井さんがメンバーに加わりました。

昨年は、京都からギル先生がいらしてアロマケアワーカーの講座をしました。COCOROリアスが12月から活動を始めました。今年の5月にはフットケアの講座を行い、さらにレベルアップしました。毎年新しい試みをし、多くの方から支援をしていただきました。

ハートフエルトもその一つです。施術をしていると眠れない、元気が出ないなどの声が多くあり、何とかしたいと「香りのプレゼント」をすることにしました。最初はテイッシュペーパーを8つぐらいにたたんで、それにオイルを数滴たらしていました。ちょっと味気ないと誰もが感じていました。その時のメンバーがハートのフエルトをたくさん作ってこれを使ってと贈ってくれたのが、皆さんからの沢山のハートプレゼントの始まりです。

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ハートオイルを持ち帰る皆さんはとてもうれしそうに大事に持ち帰っていきました。

各地での報告会、イベントなどで多くの皆さんから支援をしていただき、日本だけでなく海外にもその輪が広がっています。

被災地に行ってみると大型ダンプカー,重機がたくさん見られますが決して復興が進んでいると感じられないのです。

そこで生活する人々は、毎日の生活があまりに変化がないと感じられているようにおもいました。震災から4年目になり、ずうっと耐え忍んできた多くの方たちも限界と感じているのではないでしょ
うか。心のケアは、これからますます重要になっていくことでしょう。

「もう、こねぐてもいいぞ!」その声が聞かれるまで私たちは活動を続けていきます。

一人でも多くの方が被災地を思い続けてくださり、ご支援いただければと願っています。



アロマボランティアCOCORO

※311のブログ記事に、八戸から届いたメッセージの写真もありました(*^^*)